犬の心臓病の大半を占める僧帽弁閉鎖不全症は、心不全から全身に影響を及ぼします

僧帽弁閉鎖不全症ってどんな病気?

 

 

犬の僧帽弁閉鎖不全症ってどんな病気?

僧帽弁って心臓のどこにあるの?」で、僧帽弁の位置や機能がわかりましたね。では、僧帽弁閉鎖不全症ってどんな病気なのでしょうか。読んで字のごとく、僧帽弁の閉鎖が不完全であるために現れる症状・状態のことで、心臓弁膜症とも言います。僧帽弁は腱索で乳頭筋と繋がっていますが、僧帽弁や腱索が何らかの理由で脆くなったり伸びたり切れたりし、弁がしっかり閉じないことで左心室から左心房へ血液が逆流してしまいます(僧帽弁逆流)。

 

 

僧帽弁閉鎖不全症になると、体の中でどのような何が起こっていると思いますか?
心臓病が悪化するメカニズムを書いてみますね。

 

@僧帽弁が上手く閉じない(心臓のポンプ機能の低下) ⇒ A左心室から左心房に血液が逆流する ⇒ B左心室から全身に送り出される血液量が減る ⇒ C送り出す血液量を増やそうとして、心臓がいつも以上に頑張ろうと働き始める(心臓への負担が増加) ⇒ Dそのため、しばらくの間は全身に大きな影響は見られない ⇒ E頑張り過ぎて心臓に負担がかかり、次第に心臓が弱っていく ⇒ F心臓の頑張りも限界に達してくる ⇒ G心臓は全身に血液を送れなくなる=心不全

 

このような流れで心不全になってしまうのですが、心臓の働きが悪くなることで体全体にも影響してきます。心臓の働きが悪いということは、全身に血液が充分に送られない、つまりは血液の循環が悪くなるということですから、各臓器が影響を受けてしまいます。

 

 

また、血液を全身に巡らせるポンプ機能が低下しているため、心臓から血液が流出されず血液が心臓に溜まってきます。この状態を鬱血(うっ血)と言い、心臓の機能が低下するにつれてうっ血の程度もひどくなってきます。すると、心臓は次第に大きくなってきます。この時に動物病院で獣医に診てもらうと、「心臓が大きくなってきていますね。」と言われます。体全体を巡ってきた血液の心臓への流入量と、心臓から出される血液の流出量のバランスが悪いので、心臓の中の血液量はさらに増え、うっ血もより酷くなります。

 

 

犬の僧帽弁閉鎖不全症ってどんな病気?

心臓が本来の機能を果たせなくなるほどまでにうっ血が酷くなると、心臓ははち切れんばかりに膨れてしまいます。すると、心臓と血管でつながっている肺にも、うっ血の影響が及んでしまいます。肺のうっ血が酷くなるとどうなると思いますか?

 

うっ血は静脈や毛細血管内の血流が停滞している状態ですから、行き場を失った血液中の水分が肺の中に漏れ出してきます。肺は空気が出入りする器官なのに、うっ血によって血管から染み出した水分によって肺の内側に水が溜まってしまうのです。

 

 

例えるなら、溺れて水を飲んでしまった状態と言いましょうか。この肺の中に水が溜まった状態が肺水腫です。肺以外の場所にも、うっ血の影響が及んでしまったなら同様に水が染み出て貯まります。犬が僧帽弁閉鎖不全症になると胸水や腹水が見られるのはこのためなんですね。

 
犬が僧帽弁閉鎖不全になる原因は?
愛犬の様子がおかしいので動物病院で診てもらったら僧帽弁閉鎖不全症と診断されてしまった。という飼い主さんは少なくありません。そもそも、なぜ僧帽弁閉鎖不全となるのでしょうか。僧帽弁の開閉がうまくいかなくなる理由はわかっていても、それに至る根本的な原因はわからないのです。
犬が僧帽弁閉鎖不全症になるとこんな症状が見られます
犬が心臓病で苦しそうにしている。息をするのが苦しそう、全身で呼吸している、乾いたような咳をしている。食べなくなった、疲れやすくなった。僧帽弁閉鎖不全症を発症している犬にはこのような症状が見られます。
チワワやダックスなどの小型犬は僧帽弁閉鎖不全症になりやすい
僧帽弁閉鎖不全になりやすい犬の特徴として、小型犬である、老齢・高齢であるということがあげられます。ある種の小型犬に多い心臓病でありますが、必ずしも罹るわけではありません。
投薬による対症療法
僧帽弁閉鎖不全症を患っている犬の治療は、大半が投薬による症状を緩和させる対症療法となります。僧帽弁を物理的に治す外科手術は一般的ではないのです。
外科手術で治す僧帽弁閉鎖不全
犬の僧帽弁閉鎖不全症は外科手術で治すことができる心臓病です。上手く開閉できなくなった僧帽弁を手術によって正したり、人工弁に置換したりしますが、手術費用がとても高額になってしまいます。
飼い主が愛犬のためにできることとは?
僧帽弁閉鎖不全症は気づかないうちに進行する心臓病です。愛犬が心臓病と診断されたら誰しもが心配で不安になってしまいますよね。そんな時でも飼い主であるあなたが冷静になり、愛犬と一緒に心臓病と付き合う気持ちでいましょう。

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